満開の桜に、しとしとと降り続く雨の雨粒がしたたるそんな1日でしたが、各地で華やかな晴れ着を着た学生さんたちの卒業式が行われていたようですね。
朝、キッチンスタジオへ向かう途中、袴姿の学生さんたちと催花雨にしたたる早春の草花たちを眺めながら、『動きだした春』を感じました。
季節の移り変わりに想いを巡らせながら到着したキッチンスタジオにも、ノブさんが桜を活けてくれていました。
陽射しの薄い窓辺に咲いた桜も、陰影が柔らかくてしっとり。
青空に薄ピンクの晴れた日の桜も心地よいですが、こんな風に少しくすんだ雰囲気の桜も私は好きです。
そんな、足元は悪くとも、なんだか気分は春の賑わいを感じたこの日、『豆の教室6回目〈大豆編-2〉』が開催され、参加者の皆さんがキッチンスタジオへお越しくださいました。
その様子を、モリ乃ネスタッフのヒロミがお伝えします!
老舗豆専門店 べにや長谷川商店の長谷川清美さんを講師にお迎えする豆料理の教室。
豆のおいしさや魅力をより多くの方に知っていただきたい、豆料理をもっと気軽に楽しんでいただきたいという想いからはじまり、今回で第6回目となりました。
第1回目「大豆」、第2回目「小豆」、第3回目「えんどう豆」、第4回目「いんげん豆」、第5回目「ひよこ豆」と、日本でよく食べられている豆の種類を一巡しました。
今回の豆のテーマは、リクエストをいただき2回目の開催となる「大豆」編です。
満席御礼での開催となりました。
今回の豆の教室はいつもと少し違います。
いつもは、清美先生のデモンストレーションとお話がメインですが、今回はテーブルごとでグループになって実習していただきました。(ようやく、テーブルのアクリルパーテーションがなくなりました!)
まず、4つのテーブルごとに1種類ずつ、合計4種類(4色)の大豆で「豆腐」を作ります。
①大豆
②青大豆
③黒千石大豆
④紅大豆
この4種類(4色)の大豆を、それぞれ違った種類の豆腐に仕上げていきます。
①大豆→木枠で固める木綿豆腐
②青大豆→水分を切らずにそのままいただくおぼろ豆腐
③黒千石大豆→木枠で固める木綿豆腐
④紅大豆→竹ざるで固めるざる豆腐
もう!考えただけでも盛沢山です。w
各テーブルでミキサーやフードプロセッサーの音が激しく鳴り始めます。
12名+先生・スタッフ分合わせて15名分なので、量もたっぷり。
↑「青大豆」をミキサーにかける前
↑「青大豆」をミキサーにかけた後
4つのテーブルの間を、豆の仕上がり具合を確かめに回る清美先生。
参加者の皆さんも、時折他のテーブルの様子を見て回ります。
↑「大豆」をミキサーにかけた後
↑「紅大豆」をフードプロセッサーにかけた後
↑「黒千石大豆」をミキサーにかけた後
大きな鍋で生呉(すり潰した豆)を煮た後、あつあつの状態のまま、こし袋で絞り、豆乳とおからに分けます。
(熱いので火傷をしないよう、ゴム手袋の中に厚手の軍手を重ねています。)
見てください!
豆乳を絞った後のそれぞれの大豆のカラフルなおから!
左から、紅大豆、黄大豆、黒千石大豆、青大豆のおから。
絞り出した豆乳はそれぞれの方法で豆腐に仕上げていきます。
こちらは、木枠にさらしを敷いて流し込み、さらに包み込んでから重石をして固める木綿豆腐です。
しっかり固まりました!
黒千石大豆の木綿豆腐も大成功!
黒千石大豆のさらしがきれいな紫色に染まっていました。
ちょっと、染色のお話みたいで面白いですね。(私は、そちらにも興味津々。)
こちらは、竹ざるにさらしを敷いて流し込む紅大豆のざる豆腐。ほんのりピンク色。
さてさて、4種類の豆腐が完成する最中、お次は豆腐を作る過程で出来る「豆乳」や「おから」を使って皆さんと一緒にランチづくりです。
この日のメニューは、4種の豆腐に加えてさらに4種も!?あります!
これまたボリューミー!!
*おからナゲット〈大豆・青大豆のおから〉
豆乳マヨネーズを添えて〈紅大豆の豆乳〉
*エスニックおから2色丼〈紅大豆のおから〉
*青大豆のおぼろ豆腐入りキムチ豆乳スープ〈紅大豆の豆乳〉
*おからブリスボール(砂糖不使用のビーガンスイーツ)〈黒千石大豆のおから〉
お総菜屋さんの店頭のように美しく並べてくださった大量の「おからナゲット」!
つまみたくなります~。
おからナゲットをディップするソース「豆乳マヨネーズ」も作ります。実習で作った紅大豆の豆乳を使いました。
紅大豆のおからを使った「エスニックおから2色丼」。
サケフレークが乗っているように見えますが、いったいどんなお味なんでしょう?!
カシューナッツやデーツ、砂糖不使用のピーナッツバターなどと、黒千石大豆のおからをフードプロセッサーにかけて丸めた「おからブリスボール」。
ブリスボールとは、ドライフルーツやナッツで作るヘルシーなおやつです。
砂糖不使用、グルテンフリー、添加物なし、100%自然素材のみを使っているのが特徴です。
卵もバターなどの動物性の食品を一切使っていないので、ベジタリアンの中でも厳格なヴィーガンの方にも人気なのだとか。
私は、この「ブリスボール」という言葉を知らなかったので、見た目で「お団子、お団子」と連呼し、清美先生は笑っていらっしゃいました。w
勉強になります。毎回。
クッキーとは違ってオーブンなどで焼かないので、すぐにできるのもいいですね。
青大豆のおぼろ豆腐入り「豆乳キムチスープ」。
皆さんのテーブルにはこんな風に並びましたよ。
まるで「大豆パーティー」!みたいですね!
これが全て大豆を使った料理なんて!
豆料理の既成概念が覆されますよね。
(食べるともっと覆されるんですよ。)
この日のランチもボリューム満点!!!
それぞれの大豆からつくられた4種の「きき豆腐」。
どんぶりご飯にたっぷりスープ。
揚げたてナゲットにデザートまで勢ぞろいです。
食卓全体が、彩り鮮やかなのも食欲をそそられます。
実習の最中には、皆さんに4種の大豆それぞれの豆乳とおからをご試食していただきました。
この、搾りたての豆乳が本当に美味しいんですよね~。
(毎日豆乳を欠かせない豆乳好きの私にはたまらない。w)
4種の大豆からつくられた4種の「きき豆腐」。
お薬味には青じそ、刻みねぎ、おろし生姜を添えて。
しっかりと水分を切った木綿豆腐に、塩とオリーブオイルをつけていただくと、チーズのようなまろやかな味わいを楽しめます。
「エスニックおから2色丼」。
いただくまで、私には未知なる興味そそるメニューのひとつでした。
見た目にはサケフレーク丼。
でも、レシピの中に「ハリッサ」なる私の知らない調味料が?!
香りもエスニックです。
ハリッサは唐辛子をベースに複数のスパイスを組み合わせたペースト状の辛口調味料だそうです。
チュニジアやモロッコなどのマグリブ地域で多く用いられ、ヨーロッパでも広く知られているのだとか。
いただいてみると、おからは想像以上にしっとりとしていて、スパイシーだけれど優しい味わいでした。
「ちょっとぱさぱさする。水分をもっていかれる。」といった、おからの食感、喉ごしの概念も大きく覆った一品です。
「キムチ豆乳スープ」。
青大豆のおぼろ豆腐とぷりぷりの大きなしいたけがたくさん入っていて、食感も楽しめるとろとろスープ。
「おからナゲット」豆乳マヨネーズを添えて。
このナゲットも、外はサクサク、中はしっとり。
すりおろした大和芋が食感の決め手とのこと。
私に「団子」と呼ばれてしまった「おからブリスボール」。
これがまた、やわらか~くて口の中でとろけてしまう美味しさ。
私の「好物」に仲間入りする勢いです!
(が…大豆から自分で作る自信は…苦笑 商品化されないかなぁ~w)
どのメニューをとってもいえるのですが、おからを使ったものは、少しいただくとお腹の中で膨らんで、すぐに満腹感を感じる気がしました。
教室を終えてからの遅いランチでいただいたので、それはそれはお腹ぺこぺこ状態で、勢いよく食べ始めたのですが。それぞれの味を一通り楽しんだ段階で結構満腹に。
ダイエット食として使用されるのはうなづけます。
今回は、皆さんにも豆腐づくりの実習をしていただき、さらに展開料理を4品作っていただくという内容でしたが、ボリューム満点で、お腹の満足度だけでなく教室の時間も超過してしまいました。
長丁場の教室に最後までご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
最後に《ご参加いただいた方のご感想》
●2回目の大豆でしたが、さらに学びや楽しさが増えました。豆乳がおいしかったです。こんなに手作りがおいしいとはと感激しました。(50代女性)
●いつも驚くような豆のレシピと出会い、毎回ワクワクしています。次回も楽しみにしています。(50代女性)
●初めての豆腐づくりでしたが、とてもおいしかったし、楽しかったです!出来たての豆乳や豆腐が味わえるなんて!おから料理のイメージも変わりました。おからナゲットは自分でも作ってみようと思います。(40代女性)
●手作り豆腐キットと豆を購入して帰ります。うちでも家族と一緒に豆腐を作りたいと思います。(60代女性)
次回の豆の教室は〈小豆編-2〉です。「次世代に伝え残したい小豆料理」をテーマに昔ながらの小豆料理を、長谷川 清美先生に教わり、丁寧につくる実習をします。
近日中にご案内しますので、ぜひお越しくださいませ。
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