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執筆者の写真morinone

【ことごと綴り】《師走(しわす)》12月


今回は、師走の「ならわし」について綴っていきたいと思います。


毎回、毎月1日か、前月末に、その月のならわしについて綴っていく予定です。


先人たちから受け継がれ続けてきた日本のならわしについて想いを巡らせて、これからも暮らしの中にゆったりと無理なく、丁寧に受け継いでいくことができたら嬉しいです。



【師走(しわす)】


一般的には、1年最後の月は、普段落ち着いている師(先生)ですら、走り回るほど忙しい月ということで「師走」と言われています。


他にも、僧侶が年末の仏事で忙しく走り回る月ということで「師馳せる月」、そこから「師走」と表現したとする説や、1年の四季が終わることをさして「四季果てる月」が転じたとする説もあります。










いよいよ1年最後の月ですね。

年内にあれもこれもやっておきたい!とバタバタとしてしまい、忙しなくなってしまいがちですが、新しい年を迎えるにあたって、ゆったりとした気持ちで過ごしたいものですね。

先人たちの繋いできたならわしについて知ることで、この季節の過ごし方のヒントが見つかるかもしれませんよ。


(※師走の「ならわし料理」はお休みさせていただきます。)














■12月7日

【大雪(たいせつ)~二十四節気】


(※「大雪」について詳しくはこちら)




■12月13日

【正月こと始め・すす払い・松迎え】



正月の準備を始める「こと始め」の日は、すす払いをし、松飾りや餅の仕度を始める日です。

つまり、1年分の汚れを落とす大掃除を始める日です。


すす払いは、正月に神様をお迎えするために埃やすすを払うことをいいます。

囲炉裏を使っていた頃は、家中にすす(煙や炎から出た黒い炭素の粉)が付いており、すすを払ってきれいにしたことから「すす払い」と呼ばれるようになりました。


すす払いが12月13日になったのは江戸時代のことだそうです。

江戸城ですす払いを12月13日に行っていたため、庶民もそれに倣うようになりました。


年に一度の大掃除という現代の認識とは異なり、先人たちは、半月かけて行われるお正月準備の最初に行うのが「すす払い」だったようですね。


すすと一緒に一年間の厄を払い、清らかになった家で門松やしめ縄といった縁起物の用意をして新しい年を迎えることが、先人たちにとって大変重要な行事だったのでしょう。


松飾りの松を山に取りに行くことを「松迎え」といって、神様が宿るとされている松を取りに行くことは、神様をお迎えに行くという意味もあったのだそうです。


松迎えした松の枝に飾りつけしたものが松飾りで、祝い松、拝み松などとも呼ばれます。

門や玄関、庭、室内に飾り、家の外だけでなく室内に飾るものも、松飾りと呼びます。


年神様は冬でも緑を絶やさない常緑樹の松の枝を頼りに、それぞれの家に帰ってきます。

玄関や門に飾る松飾りは、年神様が地上に降りてくる際に家々を訪れる目印になるのですね。


12月13日は鬼宿日(きしゅくにち)という大変縁起のいい日であり、年神様を迎える準備にふさわしいと考えられたそうです。


正月の準備は、できれば28日までに済ませられるといいですね。

現代では、クリスマスがありますので、25日を過ぎた頃から正月飾りができるといいでしょう。



・門松…年神様が宿る依代(よりしろ)




・しめ飾り…年神様が降りてくるにふさわしい清浄な場所であることを示す。結界、魔除けにも。




・鏡餅…年神様へのお供え物。



29日は「苦の日」、31日は「一夜飾り」「一夜餅」といわれ、避けた方がいいとされています。


松飾りなどの正月飾りを飾る期間は、正月の松の内までです。

松の内とは1月1日から1月7日まで。

松の内が明けた1月8日の朝に松飾りを下げるようにしてください。

(※地域や風習によって日にちに違いがあります。)






■12月22日

【冬至(とうじ)~二十四節気】


(※「冬至」について詳しくはこちら)







■12月31日

【大晦日(おおみそか)・大祓(おおはらえ)】


毎月の最後の日を「晦日(みそか)」といい、1年の最後の日なので、「大晦日」です。

掃除や正月飾り、おせちの準備を終えて、年神様を家にお迎えする準備の日のこと。


この日に「年越しそば」を食べるのも恒例行事ですね。



そばは、細く長いことから「長生き」を意味し、切れやすいことから「厄災や苦労を断つ」といわれ、縁起の良い食べ物とされてきました。



大晦日は「大祓(おおはらえ)」の日でもあります。

「祓」は年に2回、6月と12月にあります。

6月30日が「夏越(なごし)の祓」、12月31日が「年越しの祓」で大祓となります。


人が知らず知らずのうちに犯した罪や穢れを祓い清めるための神事です。


大祓詞を唱え、「形代(かたしろ)」と呼ばれる人形ひとがた(人の形に切った白紙)などを用いて、身についた半年間の穢れを祓います。


夏越しの祓では、無病息災を祈るため、茅(ちがや)や藁を束ねた茅の輪(ちのわ)を神前に立てて、これを三回くぐりながら「水無月の夏越の祓する人は千歳の命のぶというなり」と唱えます。


起源とされるのはなんと、『日本神話』の伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の禊祓い(みそぎはらい)だそうです。

現在も宮中を始め全国の神社などでおこなわれています。


大祓は、個人を対象にしたお祓いに留まらず、全体、公に対するお祓いでもあります。

いわば「国民全員」、「社会全体」の罪穢れ、災厄を取り除くためのお祓いといえます。






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