4月から新しい暮らしが始まった方も、少しずつ日常を取り戻し始めた頃でしょうか。
気温が緩み、温かさを感じる日々に動植物が動き出し始めた春。
この季節も、もう終盤となります。
ここからは、暑い夏に向けて暮らしや身体を整えていきましょう。
今回は、五季の中の「春の土用」の養生についてのことごとを綴っていきたいと思います。
※五季という考え方は、古代中国で始まった「五行説」と深い関わりがあります「五行説」について詳しくはこちらをご覧ください。
春の土用は立夏の直前の約18日間で、4月17日~5月4日です。
この時期は、変わりやすい気候の頃にあたるため、やる気がなくなったり、五月病など体調を崩すことが多いといわれています。
4月から新しい環境になった方や、長く続くコロナで疲れてきている方、又は新しい生活に少し慣れて緊張がとけてきた時期に気持ちが緩んでしまった方など。
この土用の期間は、無理をせずに“少しのんびり”を心掛け、夏に向けてしっかりと栄養補給をしましょう。
土用はデトックス、体にたまったものを出す時期にも向いているといわれています。
冬の間から身体にたまったものを、この時期に出してしまうことで、厄を浄化し、春土用からの1年間を過ごすことが出来ると考えられてきたのですね。
気分転換をしたり、旬の食材である新芽などを使ったものを食べたりするのもいいとされています。
【春の土用の食養生】
春土用に大事にしている干支は、「戌」の日です。
2022年の春土用の「戌」の日は、4月27日(水)。
「いぬ」にちなんで、「い」のつく食べ物や、白い食べものが良い、といわれています。
・いわし
・いくら
・しらす
・イカ
・イチゴ
・芋
・大根
・かぶ
・いんげん など
良質なたんぱく質に、ビタミンが豊富なものが良いと考えられているのです。
ちょうどイチゴがおいしい時期ですね。
土用の戌の日にぜひ楽しんでください。
〈おすすめの養生食材〉
・玄米・あわ・きびなどの全粒穀物類
・山菜(蕗のとう・菜の花・クレソン・セリ・三つ葉・よもぎ・ウド・土筆・たらの芽・ゼンマイ・こごみ)
・キャベツ
・筍
・春の柑橘類(檸檬・デコポン・日向夏・甘夏・土佐文旦・ネーブル)
・はと麦
・押し麦
・酢味噌
・漬物
以下の料理もぜひ参考にしてみてください。
〈おすすめの料理〉
・筍ごはん
・もちきびと山菜のごはん
・押し麦入りごはん
・菜の花とじゃこの混ぜごはん
・春キャベツと油揚げの味噌汁
・菜の花と筍のかき玉汁
・押し麦と春野菜のスープ
・春キャベツと空豆のレモンマリネ
・菜の花の辛子和え
・筍とわかめの酢味噌和え
・金柑と人参のラペ
・はと麦茶 など
【春の土用暮らしの養生】
季節が春から夏に変わるタイミングですが、まだまだ寒い日が続いていると思ったら急に暑くなるなど、気温の変化も大きくなります。
気温が高い日も増え始め、それまでの服装では暑くなる時期でもあるので、気分転換を兼ねた掃除や衣替えをしたりするのもよいタイミングと言えます。
そして、何かが新しく始まった時には、3日後、30日後、3か月後と、“3”のつく頃に意識をして“身体の声を聴く”のがポイントです。
“そういえば、前はこんなことなかったのに、最近…”
“もしかして寝つきが悪くなってるかも…”
“気づいたら手足が冷えてることが多い気がする…”
など、注意深く見てみると案外身体に変化が起きているかもしれません。
身体の変化はこころにも影響しますので、早めにそれぞれの対処方法を見つけて暮らしの中に取り入れていきましょう。
参考
思いの外疲れている身体やこころに「大丈夫?」と問いかけてあげてくださいね。
リフレッシュに、天気の良い日には、ゆったりと散策などもいいですね。
この時期は植物の動きが目覚ましく面白いので、道草観察をしながら歩くのも楽しいです。
人は「視覚の世界」に生きていると言っても過言ではないくらい、受け取る情報の中では、視覚が最も大きな割合を占めているといわれています。
視覚は、非常に騙されやすい感覚でもあり、価値観によっても見え方が変わるということがあります。
つまり、ものをそのままとらえているのではなく、見たいように見ているともいえますね。
今、自分が見ている世界は、他の人も同じように見えているとは限らないのです。
むしろ、誰一人として同じように世界を見ていない、と考えた方が正しいのかもしれないのです。
そう考えたら、ちょっと面白くないですか?
いつも歩いている道でも視点を変えれば新しい発見があるかもしれません。
自分だけが見つけられる世界を探しに行く散策。w
星空を見上げたり、生き物を観察したり、自然を見ることは視覚以外の感覚も同時に刺激するので、五感を鍛えるには最適です。
色に注目してみるのもいいですね。
自然界は色にあふれているので、微妙な色の変化を観察してみるなど、自分だけが見えている世界とじっくり向き合ってみてはいかがでしょうか。
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