今回は二十四節気の夏の5番目の節気「小暑(しょうしょ)」のことごとを綴ってみたいと思います。
【二十四節気「小暑」きほんのお話】7月7日(~7月21日頃)
この日を境に暑さが日に日に厳しくなり、夏の暑さが本格的になってくる頃とされています。
この小暑から立秋になるまでが暑中となり、暑中見舞いの時期となります。
(ちなみに、立秋以降は残暑見舞いです。)
暑さも気になりだす時期ですが、梅雨明けがいつになるかと気をもむのもこの頃。
梅雨が終わる頃は、集中豪雨が発生しやすくなるのも特徴ですので、ご注意くださいね。
【小暑の七十二候】
暖かい南風が吹き気温も上がり始める中、蓮の花が咲き始めます。
そして今年生まれた鷹の幼鳥が飛ぶことを覚えて飛び立つ姿も見られる季節です。
初候:温風至(あつかぜいたる) 7月7日~11日頃
次候:蓮始開(はすはじめてひらく) 7月12日~16日頃
末候:鷹乃学習(たかすなわちわざをならう)7月17日~21日頃
※詳しくはこちらをご覧ください。
〈旬の食材Pick up①枝豆〉
枝豆は、大豆のさやつきを若取りしたもので、未成熟の大豆です。
ですから、豆と野菜の両方の栄養的特徴を持った、とても栄養が豊富な野菜です。
「畑の肉」といわれる大豆と同じく、エネルギー、脂質、良質なたんぱく質に富んでいます。さらに大豆には含まれないビタミンAやC、ビタミンB類も多く含まれているのです。
中でも、ビタミンB1は疲労回復、夏バテ防止に重要な働きをするので、暑くなり始めるこの時期にぴったり。
また、100gあたり2.7mgの鉄分が含まれています。鉄分は血液中に含まれるヘモグロビンの材料で、貧血対策には欠かせない重要な栄養素です。
枝豆の味は、鮮度が決め手。
収穫後、時間が経つにつれて豆の中の糖分が少なくなっていくので、独特の風味と甘さが落ちてしまいます。収穫は夜明け前に行って出荷するところが多いのだそうです。
枝つきのものは、鮮度が良く日持ちがするので、できるだけ枝つきをおすすめします。
そして、その日のうちに食べきるのが理想。
もし、生のまま保存する場合は、軽く洗ったあと、しっかり水分をふいてから保存袋に入れて冷凍庫へ。 解凍する時は、凍ったまま1~2分長めにゆでてください。
火を通したものを保存する場合は、しっかり水気を切った後、保存袋に入れて冷凍庫へ。自然解凍すればそのまま召し上がれます。
未成熟の大豆を茹でて食べるというのは、日本独自のもの。
枝豆を食べる習慣は、世界にほとんどないのだそうです。
驚きですね。
夏の風物詩「ビールに枝豆」も日本独自の食習慣だったなんて!?
(あんなに美味しい幸せなタッグ!)
でも、枝豆のたんぱく質の中に含まれるメチオニンは、ビタミンAやビタミンB1、ビタミンCと一緒に、アルコールの分解を助けて肝臓の負担を軽くしますので、一緒に食べることはとても理にかなったことなんですって。
先人たちは、どこまでこれらの知識をもって未成熟の大豆を食べるに至ったのでしょう。
できることなら聞いてみたいものです。
〈旬の食材Pick up②オクラ〉
南国の野菜なので、日本での露地栽培のものが収穫できるのは暑い夏の時期となります。
晩秋から春先まではタイなどの南国からも輸入される上、施設栽培もされるので通年市場に流通しています。
一般市場に流通するようになったのは昭和50年代で、一般的にはまだ新しい野菜なのだそうです。
「オクラ」はカタカナで書きますが、英語名が「Okra」なのです。
海外で「オクラ」と言っても通じるようですよ。
オクラといえば特有の食感とネバネバが特徴ですね。 夏バテ対策にもよいといわれています。
そのネバネバの主成分は、水溶性食物繊維のペクチンと複合たんぱく質のムチンとガラクタンです。
ペクチンはデトックス効果があります。
便秘や下痢を解消したり、不要なものを排出して健康な体を維持することができます。
ムチンの働きでは、肌の細胞が活性化するので、アンチエイジング効果、美肌効果が!
ガラクタンの血中脂質を減らす働きは、体脂肪を作りにくくしてくれます。 またガラクタンは大量に摂取したとしても全部脂肪にはならず、摂り過ぎた不要な分は体外へ排出してくれるので余分は脂肪が蓄積されません。
オクラは、緑が濃くて鮮やかで産毛がしっかりと残っているものを選びましょう。
サイズは小ぶり~中くらいのものがよく、大きいものは中の種が堅い場合があるそうですよ。
切り口や部分的に茶色くなっているものは、古くなっている可能性があるので避けてくださいね。
最近スーパーなどでは緑のネットに入っているものが多いので、中のオクラを良く見てみるといいかもしれませんね。。
暖かいところで採れる野菜なので、保存は冷蔵庫に入れておくとしても野菜庫にしてください。
オクラは、炒め物などに使うのなら生のまま冷凍する事が出来ます。
産毛を取り、色止めするためにも、塩を振って軽くもみます。
さっと水で洗い、水気を拭き取ってからバットに並べ、一旦冷凍してから保存袋に入れて冷凍します。
火を通してから冷凍する場合は、30秒程茹でてすぐに冷水に入れます。冷めたらすぐに水気を拭き取って、保存袋に入れて冷凍します。
刻んで冷凍しておくと和え物や薬味などにすぐ使えて便利ですね。
〈旬の食材Pick up③きゅうり〉
「黄瓜」が語源とされています。
大きく完熟すると黄色くなるウリを未熟なうちに収穫したものがきゅうりです。
出荷時期によって冬春きゅうり、夏秋きゅうりに分類されます。
全国で栽培されていますが、冬春きゅうりは暖かい宮崎県や、埼玉県や千葉県を中心に、夏秋きゅうりは福島県や群馬県を中心に収穫されています。
きゅうりの本来の旬は、大体6月頃から残暑が残る9月頃までです。
この時期は露地栽培されており、ハウス栽培などで収穫されたものと比べるとビタミンCを2倍くらい含んでいるそうです。
やはり旬にいただくに越したことはないですね。
「きゅうりは栄養がない」とよく言われますが、実際、きゅうりの95.4%は水分なのです。
決して栄養豊富な野菜ではありませんが、少量ながらビタミンやミネラルもバランスよく含んでいます。
表皮のグリーンには、β-カロテンが含まれています。
抗発癌作用や免疫賦活作用で知られていますが、その他にも体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持、そして、喉や肺等、呼吸器系を守る働きがあると言われています。
カリウムも比較的多く含まれています。
利尿作用があるので、むくみの改善が期待できます。
ぬか漬けにすると、ビタミンB1が増加し、乳酸菌の働きも加わるので、疲労回復の助けにも。
食べる前に板ずりをすると色がよくなり、皮も軟らかくなります。
現在の主流は、イボがなく、表面にブルームという白い粉が出ないキュウリですが、イボの多い昔ながらの品種も再び見直されているそうです。
きゅうりは乾燥と低温が苦手なので、早めに食べきるのが基本です。
熱にも水にも弱い野菜なので、冷蔵庫に保存する場合は、水分を拭き取り、キッチンペーパーに包んで、10~15度の冷蔵庫の野菜室に立てて保存しましょう。
低温に弱く、冷やし過ぎるとビタミンCが壊れるので、冬場には冷蔵庫で保存せずに、風通しの良い冷暗所で保管するのが最適です。
長期保存をしたい場合は、スライスして水分を絞っておけば冷凍保存ができます。冷蔵庫で解凍して和え物などにすぐに使用できます。
スーパーなどで売られているきゅうりは、まっすぐ伸びた綺麗な形のものが多いですが、多少曲がっていても、鮮度・品質に変わりはありません。
曲がったきゅうりが安く売っていることもあるので活用してみるのもいいですね。
今回はノブさんおすすめのきゅうりの常備菜レシピ3つをご紹介します。
【きゅうりの常備菜レシピ♪】
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きゅうりの佃煮
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きゅうりがたくさん採れる時期にまとめて作る、昔ながらの佃煮。
東北の友人のおばあちゃんから教わったレシピをもとに、少し薄味にアレンジしています。
夏にきゅうりを見るとこれが食べたくなるのです。
ご飯にのせるだけでなく、おにぎりの具材にすることも多いです。
《材料》(作りやすい分量)
・きゅうり:3本
・塩:小さじ1
・生姜:20g
〔A〕醤油:大さじ2
〔A〕みりん:大さじ2
〔A〕酢:大さじ2
〔A〕砂糖:大さじ1/2
〔A〕赤唐辛子(輪切り):小さじ1/2
・塩昆布:10g
・白炒りごま:適量
《作り方》
① きゅうりは薄切りにし、塩をふって軽くもむように混ぜる。
10分おいてしんなりしたら、しっかりと水けを絞る。
生姜は千切りにする。
② 鍋に①と〔A〕を入れて中火にかけ、混ぜながら味を染み込ませる。煮汁がなくなるまで炒り煮する。
③ 火を止めて粗熱が取れたら、塩昆布、白ごまを加える。
④ 冷めたら清潔な保存容器に入れて、冷蔵庫で保存する。
〈食べ頃〉すぐに食べてもおいしいですが、冷蔵庫で一晩おくとより味がなじみます。
〈保存〉冷蔵庫5日間が目安。小分けして冷凍も可・冷凍で3ヶ月間が目安。
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福神漬け
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カレーライスの薬味としてお馴染みの福神漬けは、東京生まれの漬物だってご存知でしたか?
福神漬けの名前の由来は七福神からだそう。
手に入りやすい七つの具材で作るうま醤油味の福神漬けは、白いご飯も進みます。
自家製だと塩味や甘味を好みに調整できるのがいいですね。
《材料》(作りやすい分量)
・きゅうり:1本(100g)
・なす:1個(100g)
・大根:150g
・れんこん:中1節(100g)
・にんじん:1/2本(100g)
〔A〕醤油:大さじ3
〔A〕砂糖:大さじ2
〔A〕みりん:大さじ1
〔A〕酢:大さじ1
・生姜:1かけ(10g)
・白炒りごま:小さじ1
・塩:小さじ1
《作り方》
① きゅうりは縦4つ割りにし、種の部分を切り取り、3mm厚のイチョウ切りにする。大根、れんこん、なす、にんじんも、きゅうりと同じくらいの大きさに切る。生姜は千切りにする。
② 切った野菜(生姜以外)をボウルに入れて塩をふって軽くもむように混ぜる。
表面にぴったりとラップを貼り付けて30分間おく。
野菜の水けをギュッと絞る。ここでしっかり水けを絞っておくと、味が染み込みやすく、保存性も高まる。
③ 鍋に〔A〕を入れて火にかけ、沸騰したら②の野菜を加え、再度沸騰したら火を止めて、生姜、白ごまを加える。
④ 冷めたら清潔な保存容器に入れて、冷蔵庫で一晩(8〜12時間)おいて味をなじませる。
〈食べ頃〉一晩おいて味がなじんだら食べられます。
〈保存〉冷蔵庫で約1ヶ月が目安。
〈応用料理〉カレーの薬味として、ご飯にのせる、冷奴にのせる、炒め物、チャーハン、卵焼き、サラダ、和え物など。
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たたききゅうり
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簡単に作れて、漬けたらすぐに食べられる、暑い夏にぴったりのピリ辛味の浅漬けです。
多めに作ってもすぐになくなってしまい、夏の間に何度もリピートする一品です。
《材料》(作りやすい分量)
・きゅうり:3本
・長ねぎ:1/4本
・にんにく:1/2かけ
〔A〕醤油:大さじ3
〔A〕酒:大さじ2
〔A〕酢:小さじ1
〔A〕みりん:小さじ2
〔A〕塩:少々
〔A〕ごま油:小さじ1
〔A〕赤唐辛子(輪切り):少々
・松の実:適量 *砕いたクルミなどのナッツ類や白ごまでも
《作り方》
① きゅうりは両端を切り落として3等分に切る。めん棒などでたたいてヒビを入れて手で割る。
② 長ねぎはみじん切り、にんにくはスライスにする。
③ 〔A〕を合わせて、きゅうり、長ねぎ、にんにく、松の実を入れて混ぜる。
④ 清潔な保存容器に入れて、冷蔵庫で保存する。
〈食べ頃〉すぐに食べられます。
〈保存〉冷蔵庫で5日が目安。
旬のきゅうりがたくさんある時に、ぜひお試しくださいませ〜♪
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