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執筆者の写真morinone

【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《ミックス大豆のハーブピクルス》


ミックス大豆のハーブピクルス

今回ご紹介する秋の保存食は『ミックス大豆のハーブピクルス』です。


3種の大豆を使い、ディルとピンクペッパー、マスタードシードがさわやかに香るピクルスです。

玉ねぎを一緒に漬けることでうま味と甘みが加わるだけでなく、サラダやマリネなどにも合わせて使えたり、ピクルス液に加えてドレシングにしたりもできます。


新豆の季節です。風味豊かな新豆でピクルスを作るのもいいですが、新豆を新たに迎え入れるにあたり、古い豆を使いきるために、まとめてピクルスにしておくのもおすすめです。

まとめて調理してすぐに使えるようにしておけるのも保存食のいいところ。


その様なことも考慮して、複数種類の大豆を少量ずつ合わせた、ミックス大豆のピクルスをご紹介します。

色の違う豆を混ぜることで見た目もカラフルになり料理に彩りを添えてくれます。


また、手軽に豆を楽しんでいただけるよう、なるべく時間と手間をかけずに豆を戻す方法、数種類の豆を一度に蒸す方法なども紹介します。


ミックス大豆のハーブピクルス材料

【材料】約500ml容量の保存びん1本分


・大豆(黄大豆・青大豆・紅大豆):乾100g→蒸約200g

・玉ねぎ:1/4個

・ディル:1〜2本


〈ハーブピクルス液〉

・純米酢:120ml

・水:90ml

・みりん:70ml

・オリーブオイル:小さじ1.5

・塩:小さじ1

・ローリエ:1枚

・ピンクペッパー:小さじ1

・マスタードシード(あれば):小さじ1




【つくり方】

① 大豆を戻して、かために蒸します。


《短時間で豆をもどす方法:保温容器でもどす。》

*少量の豆を戻すときにおすすめです。

*保温容器は、保温ポット、保温ボトル、スープジャーなど。


(1) 乾燥豆を洗って保温容器に入れ、熱湯を保温容器の口まで注ぎます。フタをして3分ほど置いて保温容器と豆を温め、お湯だけ捨てます。


(2) 再度、熱湯を保温容器の口まで注いですぐにフタをし、そのまま1~2時間おきます。時々保温容器を軽く振って加熱のムラをなくすとよいです。


(3) 豆のしわがなくなり、ふっくらもどっていたらOKです。ザルにあげて水けをきります。

*まだもどりが足りなかったら、おく時間を延長して様子をみてください。


大豆の戻し方

《数種類の豆を一度で蒸す方法》

*蒸すことで豆の風味や栄養素の流出を抑えることができます。

*色の違う豆を一緒にゆでると色が混ざり合ってしまい全体が茶色っぽくなってしまいますが、仕切りをつけて蒸せばそれぞれの豆の色がきれいに残り、一度で複数種類加熱することができます。


(1) 鍋の底に水を入れ、蒸し器をセットし、沸騰させます。


(2) 戻した豆はそれぞれクッキングシートで仕切って蒸し器に入れ、フタをして中火で約20分かために蒸します。

(柔らかめに蒸す場合は約30分。)


(3) 食べてみてちょうどよい具合に蒸し上がっていたら火を止めて、フタをしてそのまま約20分おきます。

3種の大豆を蒸す

②玉ねぎは横半分に切って縦に薄切り、ディルは適当な大きさにします。


③ハーブピクルス液の材料と玉ねぎを鍋(アルミ以外)に入れて中火にかけます。

沸騰したら少し火を弱めて2分ほど加熱します。火を止めて粗熱をとります。


ピクルス液をつくる

④清潔な保存容器に、蒸した大豆、ハーブピクルス液から取り出した玉ねぎとローリエ、ディルを入れ、ハーブピクルス液を注ぎ入れます。

冷めたら冷蔵庫で6〜8時間ほど漬け込んで味をなじませます。


ピクルス液を注ぐ

できあがり。


ミックス大豆のハーブピクルス

〈食べ頃〉

漬けてから1時間ほどで食べられますが、冷蔵庫で6〜8時間漬け込むと味がなじんでより美味しくなります。


〈保存〉

冷蔵庫で2週間ほどが保存の目安です。なるべく早めに食べ切りましょう。


〈応用メニュー〉

・野菜の上にトッピングし、さらにハーブピクルス液とオリーブオイルを合わせて回しかけて豆のサラダに。

・ポテトサラダやコールスローなどの具材に。

・大豆のピクルスとハーブピクルス液にオリーブオイルを加えて、底に具材を合わせてマリネにするのもおすすめです。(白味魚、タコやイカ、ホタテやエビなどと合わせた魚介類のマリネ・ミニトマトやアボカドゆでたじゃがいもなどと合わせたマリネなど)

・タルタルソースにもよく合います。

・パンにのせてバゲットにしたり、ご飯と合わせて混ぜ寿司のようにしても美味しいです。



 

秋の保存食『ミックス大豆のハーブピクルス』を使ったアレンジレシピ






 

旬の食材のこと

大豆


大豆

大豆は、古くから日本で親しまれてきた食材のひとつです。


原産地の中国では、5000 年以上栽培されているといわれています。

日本では『古事記』(712 年)や『日本書紀』(720 年)に大豆の記録があることから、 当時すでに日本でも栽培されていたと考えられています。


大豆は「畑の肉」といわれるほど、良質の植物性タンパク質が肉類並みに豊富で、その他にも脂質・ビタミン類・ミネラルを豊富に含んでいるため、「天然のサプリメント」ともいわれています。


私たちは普段、肉や魚を食べてタンパク質を補いますが、肉類と比べて脂質が少なく、肉類には含まれない食物繊維を豊富に含むので、健康に良い食品として、人気を集めているのですね。



「もやし」=「枝豆」=「大豆」


パッと見て、この意味はおわかりになりますか?


枝豆

枝豆と大豆は収穫時期が違うだけで、もともとは同じ植物の種子からできているので、同じものということです。

未成熟の時期に収穫された緑色の若いものが枝豆、成熟するまで待ち、茶色く乾いたものが大豆となります。


ちなみに、水に浸してから使う乾燥大豆は「穀物」、若い時期に収穫した大豆=枝豆は「野菜」となるそうです。


そして実は、もやしも大豆の生長途中のものなんですね。

大豆が暗い所で発芽すると「もやし」です。


(普通に土に植えると、発芽して、双葉になり、生長して、枝豆になって、そしてまた大豆になります。)


ただ、一般的にスーパーに置いてあるもやしの多くは、「緑豆もやし」なのだそうですが。


大豆もやし

わかりやすい例をあげると、韓国料理のナムルの豆もやしが「大豆もやし」です。 先に大きめの豆が付いているもやしが「大豆もやし」ということですね。


大豆と大豆の加工食品

枝豆、もやしの他にも、日本食には欠かせない味噌、醤油、煮豆、納豆、煎り豆、きな粉、豆乳、豆腐、ゆば、がんもどき等々、大豆食品は本当に多岐にわたりますね。


ですが、近年では洋食の嗜好性が高まり、日本では大豆や加工品を含む「豆類」の1日の摂取量が、10年前(2003年)に比べて減少しているのだそうです。


とはいえ、健康志向も高まっている昨今、大豆を食べると満腹感が3割以上増え、食べ過ぎの防止にも役立つそうですし、大豆の栄養価や、発酵食品などが身体にもたらす影響を知ることで、毎日の食を少し見直してみるのもいいかもしれません。



最近では、「大豆のお肉」=「大豆ミート」も注目されて始めています。

カロリーや脂質を抑え、栄養バランスに優れた、噛み応えもしっかりした大豆生まれのお肉です。


大豆ミート

「ギルト(guilt=罪悪感)フリー」といわれ、たくさん食べてもカロリーや脂質が控えめな上、良質なタンパク質や食物繊維がしっかり摂れるので、罪悪感のない食事が楽しめるとされています。




※参考

食用の肉となる家畜を育てるためには、膨大な量の飼料も消費しています。

例えば牛肉の場合、人が食べる1キログラムの肉に対して、必要となる穀物は11キログラムにもなるそうです。

このまま世界中の人たちが肉を食べ続ければ、飼料用の穀物はあっという間に枯渇してしまいますね。


“そのような事態を防ぐため”ということも、大豆のお肉をはじめとする、植物性の良質なタンパク質を摂ることのできる食品が、急速に注目され始めている理由のひとつでもあります。


日々の「自分ごと」と全体のバランスを意識していくことも、現代では重要なことになってきましたね。



 

11月 【和風月明 霜月】















【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《ミックス大豆のハーブピクルス》

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