前回ご紹介しました秋の保存食『ミックス大豆のハーブピクルス』を使ったアレンジレシピです。
「ミックス大豆のハーブピクルス」の大豆、玉ねぎ、ディル、スパイス、ピクルス液と、余すところなく使って混ぜ寿司をつくり、それをお揚げに詰めておいなりさんにしました。
ディルやピンクペッパーがさわやかに香り、シャキシャキした食感の玉ねぎとマスタードシードがアクセントとなった大人の洋風おいなりさん。
ご飯の中に見え隠れする3色の大豆がカラフルで見た目も華やかです。
秋の行楽のおとも、おもたせやおもてなしなどにおすすめです。
【材料】8個分
・温かいご飯(かために炊く):1合分(約300g)
・ハーブピクルスのミックス大豆:100g
・ハーブピクルスの玉ねぎ:適量
・ハーブピクルスのディル:適量(細かく刻む)
・ハーブピクルス液(マスタードシード適宜):大さじ3
・塩:小さじ1
・砂糖:小さじ1
〈トッピング〉
・ハーブピクルスのピンクペッパー:適宜
・ディル(フレッシュ):適宜
・レモンorすだち:適宜(薄くスライス・1/4カット)
〈お揚げ〉
・油揚げ:4枚
〈A〉出汁:200ml
〈A〉みりん:大さじ3
〈A〉醤油:大さじ3
【つくり方】
①油揚げは、1枚ずつまな板にのせ、上から箸(割り箸など角があるものの方がよい)を軽く押し付けながらコロコロと転がします(こうすると油揚げが開きやすくなります)。
半分に切り、切り口から親指を入れて穴が開かないように気をつけながらゆっくりと角まで開いて袋状にします。
沸かした湯に入れ2〜3分ゆでて油抜きします(味が染み込みやすくなります)。水にとって冷まし、2〜3枚ずつ両手で挟むようにして水けを絞ります。
②鍋に〈A〉を入れて中火にかけ、煮立ったら油揚げをずらしながら並べ入れます。
落とし蓋をして再び煮立ったら弱火にして10〜15分煮含めます。
数回、煮汁を油揚げの上にかけてまんべんなく味が染み渡るようにしながら、鍋底に少し煮汁が残るくらいまで煮たらOKです。
鍋のまま冷まして味を染み込ませ、冷めたら揚げを両手に挟んで汁気をきります。
*煮汁とっておき、ご飯を詰めるときに手を湿らせる用に使います。
③ ハーブピクルス液に塩、砂糖を加えてよく混ぜ合わせます。
温かいご飯に回し入れ、切るように手早く混ぜ合わせます(余分な水分を飛ばします)。
ハーブピクルスのミックス大豆、玉ねぎ、細かく刻んだハーブピクルスのディルを加えて混ぜ合わせます。
8等分にして軽く丸めておきます。
④②の油揚げの口を内側に折り返し、③の混ぜ寿司を詰めます。
ハーブピクルスのピンクペッパー、ディル、スライスしたレモンなどをトッピングします。
できあがり。
旬の食材のこと
『大豆』
大豆は、古くから日本で親しまれてきた食材のひとつです。
原産地の中国では、5000 年以上栽培されているといわれています。
日本では『古事記』(712 年)や『日本書紀』(720 年)に大豆の記録があることから、 当時すでに日本でも栽培されていたと考えられています。
大豆は「畑の肉」といわれるほど、良質の植物性タンパク質が肉類並みに豊富で、その他にも脂質・ビタミン類・ミネラルを豊富に含んでいるため、「天然のサプリメント」ともいわれています。
私たちは普段、肉や魚を食べてタンパク質を補いますが、肉類と比べて脂質が少なく、肉類には含まれない食物繊維を豊富に含むので、健康に良い食品として、人気を集めているのですね。
「もやし」=「枝豆」=「大豆」
パッと見て、この意味はおわかりになりますか?
枝豆と大豆は収穫時期が違うだけで、もともとは同じ植物の種子からできているので、同じものということです。
未成熟の時期に収穫された緑色の若いものが枝豆、成熟するまで待ち、茶色く乾いたものが大豆となります。
ちなみに、水に浸してから使う乾燥大豆は「穀物」、若い時期に収穫した大豆=枝豆は「野菜」となるそうです。
そして実は、もやしも大豆の生長途中のものなんですね。
大豆が暗い所で発芽すると「もやし」です。
(普通に土に植えると、発芽して、双葉になり、生長して、枝豆になって、そしてまた大豆になります。)
ただ、一般的にスーパーに置いてあるもやしの多くは、「緑豆もやし」なのだそうですが。
わかりやすい例をあげると、韓国料理のナムルの豆もやしが「大豆もやし」です。 先に大きめの豆が付いているもやしが「大豆もやし」ということですね。
枝豆、もやしの他にも、日本食には欠かせない味噌、醤油、煮豆、納豆、煎り豆、きな粉、豆乳、豆腐、ゆば、がんもどき等々、大豆食品は本当に多岐にわたりますね。
ですが、近年では洋食の嗜好性が高まり、日本では大豆や加工品を含む「豆類」の1日の摂取量が、10年前(2003年)に比べて減少しているのだそうです。
とはいえ、健康志向も高まっている昨今、大豆を食べると満腹感が3割以上増え、食べ過ぎの防止にも役立つそうですし、大豆の栄養価や、発酵食品などが身体にもたらす影響を知ることで、毎日の食を少し見直してみるのもいいかもしれません。
最近では、「大豆のお肉」=「大豆ミート」も注目されて始めています。
カロリーや脂質を抑え、栄養バランスに優れた、噛み応えもしっかりした大豆生まれのお肉です。
「ギルト(guilt=罪悪感)フリー」といわれ、たくさん食べてもカロリーや脂質が控えめな上、良質なタンパク質や食物繊維がしっかり摂れるので、罪悪感のない食事が楽しめるとされています。
※参考
食用の肉となる家畜を育てるためには、膨大な量の飼料も消費しています。
例えば牛肉の場合、人が食べる1キログラムの肉に対して、必要となる穀物は11キログラムにもなるそうです。
このまま世界中の人たちが肉を食べ続ければ、飼料用の穀物はあっという間に枯渇してしまいますね。
“そのような事態を防ぐため”ということも、大豆のお肉をはじめとする、植物性の良質なタンパク質を摂ることのできる食品が、急速に注目され始めている理由のひとつでもあります。
日々の「自分ごと」と全体のバランスを意識していくことも、現代では重要なことになってきましたね。
11月 【和風月明 霜月】
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【ミックス大豆のハーブピクルスのアレンジレシピ】『ミックス大豆のハーブピクルス』
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